いよいよ「2020年甲子園高校野球交流試合」が開幕しました。
今年はセンバツが中止になり、選手権が中止になりました。
そんな絶望の中決まった「2020年甲子園高校野球交流試合」という光。
センバツ出場校の32校が1試合のみですが、甲子園からの招待を受け交流試合をすることとなりました。
本来は今日は選手権大会の開幕日でした。
当たり前にあった日常が奪われ、当たり前にあった高校野球の全国大会が奪われました。
当たり前のようにテレビで中継が見られることが幸せだと気づかされました。
第1日目
第一試合 大分商(大分)×花咲徳栄(埼玉)
第二試合 明徳義塾(高知)×鳥取城北(鳥取)
普段の大会との違い
ベンチ入りメンバー
普段のセンバツや選手権ではベンチ入りメンバーは18までですが、今回はいつもの地方大会と同じ20人と枠が広がりました。
球数制限
本来は今年のセンバツで始まるはずだった球数制限。
1週間で500球ということです。
交流試合は1試合だけなので、埼玉や神奈川などまだ独自大会が終わっていないチームへのルールな気がする。
球数制限仕様にスコアボードが球数が表示されるようになっていました。
タイブレーク
普段だと延長13回からタイブレークなのですが、今回は延長10回からタイブレークということです。
応援
観戦は部員や保護者などの関係者のみ。
場所はアルプスではなく、内野席。
アルプスは次のチームの応援が待機する場所となっていたようです。
横断幕も内野席に掲げられました。
外野は無人で寂しかったですが、内野から送られる拍手はとても温かかったです。
甲子園でたくさんの声援と音楽が溢れる日が一日も早く訪れることを祈りたい。
開会式
いつもの入場行進はなく、バックスクリーンに集合写真を写して紹介していくスタイルでした。
大分商と花咲徳栄は開会式をグラウンドに立ってだったので、開幕試合の特権ですね。
八田英二会長の言葉に「ありがとうの反対語は当たり前」という言葉ありました。
これって、まさにその通りなんだなというのを今年は痛感しました。
当たり前にあることは有難いことで奇跡なんだと。
選手宣誓は第一試合の主将・川瀬堅斗選手(大分商)と井上朋也選手(花咲徳栄)です。
二人の選手の選手宣誓というのも今年ならでは。
二人で言葉を考えたのでしょうか。
一人一人のところと二人で言うところとがありました。
いつもより短い開会式は今年を物語っていました。
第一試合 大分商(大分)×花咲徳栄(埼玉)
試合前には始球式が行われました。
投球後にいつもなら投手と握手が交わされるのですが、制されて握手ができない。
こういうところでも、「いつもとの違い」を感じました。
YouTubeのプレミア配信で花咲徳栄が演奏するということでしたので、テレビでは中継を、iPadでYouTubeを流しながら見ました。
初回のみ大分商の時も演奏しておりました。
今日は珍しく花咲徳栄がウラでした。
先制は花咲徳栄。
1ウラ、先頭打者が一塁への送球それて出塁、四球などで満塁とし、四球で押し出しと適時打で3点が入りました。
その後は花咲徳栄が攻めるも点は入らず。
その間に徐々に大分商も攻めますが、花咲徳栄の好守に阻まれて本塁が遠い。
6表に花咲徳栄の失策が絡んで大分商が1点返します。
少し大分商の流れになりかけたかと思いましたが、花咲徳栄が完全に流れを渡せしませんでした。
お互いに走者を出しながら得点が入らない展開で、結局花咲徳栄が逃げ切りました。
大分商の9回には普段センバツや選手権ではベンチ入りしない背番号20の選手が出たり、この大会ならではのものもありました。
試合後のインタビューで印象的だったのは大分商のエースで主将の川瀬選手の「後悔」という言葉。
流れが来そうなところで四球を与えてしまって後悔・・・など、「後悔」という言葉が何度か聞かれました。
勝ちへの思いが強かったんだなあと思いました。
キャプテンらしくて素敵な選手だと思いました。
とてもいい試合でした。
花咲徳栄3-1大分商
第二試合 明徳義塾(高知)×鳥取城北(鳥取)
試合前の主将のインタビューでどちらの主将も「思い出作りではなく勝ちにこだわる」と同じ内容のことを話していたのが印象的でした。
今日も四国中央市出身の合田涼真選手は二番で出場です。
初回に鳥取城北が1点先制。
ウラに明徳義塾も一死満塁のチャンスを作るも併殺で得点できず。
2回四死球などで走者をためて満塁から犠飛で明徳義塾が同点に追いつきます。
5回、一番の奥野翔琉選手が三打席連続の四球で出塁から盗塁を決め、二番の合田選手が犠打を決め、三番の鈴木大照選手が犠飛で明徳義塾が勝ち越し。
明徳義塾はここまで無安打で2得点。
8回表に鳥取城北が安打や四球などで満塁と攻めて適時打で逆転。
この回の鳥取城北側の手拍子の圧がすごかったです。
もう一本適時打を打たれたところで、新地智也投手から四国中央市出身の二年生代木大和投手にスイッチ。
新地投手は悔しかっただろうなあ・・・。
代木投手は変わってすぐに適時打を打たれたものの、その後は無得点に抑えました。
劣勢ではありましたが、合田選手と代木投手と二人も甲子園のグラウンドに四国中央市出身の選手が立っていることが感動でした。
8回ウラに四番の新澤颯真選手がチーム初安打。
その後一死一二塁となったところで浅いフライで二塁走者の鈴木選手が三塁に走り、三塁への送球がそれたところで一気に本塁まで還る好走を見せました。
更に米崎薫暉選手が適時打で1点差。
1点差のまま迎えた9回ウラ、鳥取城北は中川央投手にリリーフ。
一死後に明徳義塾は連続死四球で攻めます。
鈴木選手を中飛に打ちとって二死になったところで、鳥取城北は再び阪上投手が登板。
そして、四番の新澤選手が右翼手の頭を超える三塁打で奥野選手と合田選手が還って明徳義塾がサヨナラ勝ちを決めました。
思わず叫んでしまいました。
鳥肌が立ちました。
最初は無安打で2得点しかとれず、そこから8回に鳥取城北に勝ち越しを許し、流れ的に鳥取城北かというところで、そのウラに初安打などで1点差に迫り、最終回に逆転サヨナラ。
明徳義塾の終盤の粘り勝ちでした。
あとは手拍子の応援の素晴らしさも感じる試合でした。吹奏楽の応援がない分手拍子が響き渡り、攻撃を後押ししていた気がしました。
熱い試合をありがとうございました。
明徳義塾6ⅹ-5鳥取城北
【 一言メモ】
もし無安打で勝っていたら、35回夏(1953年)の慶應×北海の慶應以来だったのかも。
今回は1試合のみということですが、トーナメントだろうと1試合の交流試合だろうと1試合の重みは全く変わらないと思いました。
どのチームも勝ちにこだわり試合に臨んでいました。
一球一打に懸ける姿は眩しくて美しい・・・。
大会は残り5日。
短い日程ではありますが、今年の高校野球のいろんな思いがギュッと詰まった日々になるでしょう。